刑事事件

痴漢で勾留されたらどう対処すべきか

痴漢で逮捕された場合、取り調べ後に釈放されることもありますが、そのまま身体拘束が続くこともあります。これを「勾留」といいます。

逮捕された後、勾留決定がされてしまうと、勾留請求がされた日から、原則として10日、延長されたらさらに最大で10日、家に帰ることができなくなってしまいます。また、起訴後に勾留されている場合には、勾留期間はさらに長期化します。
家に帰ることができないと、社会生活にも大きな影響を及ぼすため、早期釈放を目指すための弁護活動が必要です。

そこで今回は、痴漢で勾留された場合に知っておくべき知識を解説します。

勾留の基本的な内容から勾留手続きの流れ、どのようなケースで勾留が行われるのか、勾留後の実生活への影響、釈放に向けてできることについて、わかりやすくご説明します。

1.勾留とは

まずは、勾留の基本的な内容や手続きの流れについて理解しておきましょう。

(1) 勾留の要件

痴漢で逮捕された場合、次に続く手続きは勾留が行われるかどうかです。

勾留とは、被疑者や被告人の身柄を刑事施設に拘束することを指します。勾留は、起訴前の勾留と起訴後の勾留があります が、起訴前の勾留は、簡単にいうと、痴漢などの犯罪で逮捕した人を捜査のために警察署の留置場などの施設に留め置くことを指します。

勾留は逮捕されたら必ず行われるものではなく、以下の要件のいずれかを満たすと考えられる場合に検察官が勾留請求を行い、裁判所が決定を行います。

  1. 住所不定
  2. 証拠隠滅の恐れ
  3. 逃亡の恐れ

逃亡の恐れがあるときは、身柄を拘束して、後の裁判への出頭を確保する必要があります。住所不定は逃亡のおそれがある典型例です。

証拠隠滅の恐れがあるときも、これを防止しないと、後の裁判で真実を確認することができなくなるから、勾留が認められるのです。

犯罪の嫌疑があり、上の勾留の要件3つのうち1つでも理由があれば、裁判所が勾留決定を行います。

(2) 勾留の期間

次に、刑事事件の手続きの流れと勾留手続きを理解しておきましょう。

逮捕〜検察〜勾留請求

痴漢事件の多くは、事件現場で現行犯逮捕されるケースです。目撃者や被害者の証言により警察に通報され逮捕となります。

逮捕後は警察での取り調べが行われ、48時間以内に検察に身柄が送致されます。検察でも同様に取り調べが行われます。検察送致後は、検察官が身柄を受け取ってから24時間かつ逮捕から72時間以内に検察官が裁判官に対し勾留請求を行います。

勾留請求〜勾留決定〜延長

勾留請求後に、裁判官が被疑者に勾留質問を行って勾留要件があるかどうかを判断し、理由があると判断した場合は、勾留が決定します。

勾留が決定されると原則として勾留請求された日から10日間、延長された場合はさらに最大で10日間の合計20日間勾留が続くことになります。

起訴・不起訴決定〜被告人勾留〜裁判〜判決

勾留中に検察官によって起訴・不起訴が決定します。
起訴された者は、被疑者の立場から、被告人の立場に変わります。

起訴されると、起訴された事実が逮捕段階の被疑事実と同じと評価される場合には自動的に被告人勾留に切り替わり、別途、勾留請求や勾留決定の手続は必要ありません。

なお、異なる場合には、改めて勾留に関する判断がなされます。これを起訴前の勾留に対し、起訴後の勾留といいます。

ただし、被告人勾留の期限は2ヶ月となり、延長となればその後1ヶ月単位で更新できます。

起訴がきまれば、通常は1ヶ月から1ヶ月半程度で裁判となり、裁判が行われると99%以上の可能性で有罪となり、処罰罪が決定します。

勾留されると、逮捕から起訴までの23日間、起訴後は、たとえ執行猶予判決であったとしても、起訴から3ヶ月程度身柄を拘束されるのが通常であるため、生活にも大きな影響が出ます。

そのため、起訴前にはできる限り勾留されないよう活動したり、勾留された場合には早期釈放を求めることが大切です。また、起訴後には保釈を求める等の弁護活動を行っていくことが大切です。

2.痴漢事件で勾留が行われるケース

次に、痴漢事件で勾留が行われるのはどのようなケースなのか見ておきましょう。また、勾留が行われることによるデメリットもご説明します。

(1) 痴漢で勾留されるケース

  • 強制わいせつ事件の場合
  • 痴漢行為を否認している場合
  • 共犯者がいる場合や、何度も犯行を繰り返していた場合

まず、痴漢で逮捕されるのは多くの場合、各自治体が制定する条例に違反した「迷惑行為防止条例違反」です。

衣服の上から身体を触る痴漢が典型です。罪としては「6月以下の懲役または50万円以下の罰金」と比較的軽い刑です。

他方、下着の中に手をいれて触るような悪質な痴漢の場合、刑法の強制わいせつ罪が問われ、この場合は「6月以上10年以下の懲役」とかなり重くなっています。
刑罰も重く、悪質ですので、勾留請求される可能性も高くなります。

また、痴漢行為を否認している場合も、反省していない、証拠隠滅や逃走の可能性があると判断されやすくなります。

そして、集団で痴漢行為を行ったケースのように単独犯でない場合や何度も犯行を繰り返してきた場合などは犯情が悪質です。罪証隠滅の可能性や逃走の可能性があると判断されるケースが多いでしょう。

(2) 痴漢で勾留されるデメリット

痴漢事件で勾留されるデメリットとしては以下が考えられます。

  • 会社や学校に解雇・退学される可能性
  • 報道される可能性

勾留が続くと、日常生活への影響は避けられません。

逮捕直後は「体調不良による欠勤」でごまかしていても、これほど長期化すると会社に事情を説明しなければいけなくなってしまいます。
犯行を認めている場合や起訴が決定している場合は、事実上、懲戒解雇の可能性も高くなるでしょう。

これは大学や専門学校などの学生でも同じです。学校を長期で休まなければいけないと、単位がとれないため卒業ができません。
逮捕がバレた場合には、停学や退学などの処分が下されることもあるのです。

また、何週間も家に帰らないと、近所の人や知り合いが怪しむ可能性もあります。「どうして連絡がつかないのか」と友人が心配するケースも多いでしょう。

報道されてしまうと、実名が出てしまう場合もあるため、自身の就職、結婚ばかりか、家族の縁談、就職などにも悪い影響がでる可能性は否定できません。地方であれば、その土地に住んでいられなくなるケースもあるでしょう。

このように、痴漢事件で勾留になると、社会生活とその後の人生に大きな影響が出ます。
勾留を回避するのが一番ですが、勾留が行われた場合でも早期釈放のための弁護活動が必要です。

3.早期釈放のために家族ができること

最後に、早期釈放のために家族ができることをお伝えします。

(1) できるだけ早く弁護士に相談すべき

痴漢事件で勾留されてしまうと、その後の影響は大きく、ご家族ならこれを少しでも軽減したいと考えるでしょう。
本人のためにもご家族のためにも、一番有益なのは「弁護士に依頼すること」です。

リスクを減らすためには、できれば逮捕直後あるいは勾留請求前にご依頼いただくのがベストとなります。逮捕から23日間で起訴・不起訴が決まる刑事事件での弁護は短期決戦であり、一日でも無駄に出来ないからです。

(2) 痴漢事件で弁護士ができること

痴漢事件で依頼された弁護士ができることとしては、以下の内容があります。

  • 被害者との示談交渉
  • 取り調べの際のアドバイス
  • 釈放のための働きかけ

痴漢事件では、被害者との示談成立が勾留の可否や起訴・不起訴の判断に大きく影響します。

被害者は加害者側とは連絡を取りたがらないので、弁護士がいない場合は多くの場合で示談交渉が難航します。

この点、弁護士がいれば、示談交渉に応じてくれる被害者も多く、示談成立までの道のりが短くなります。

また、取り調べ時に警察から恫喝されたり、「素直に認めれば悪いようにしないから」などと言われて、虚偽の事実を話してしまったりするケースもあります。

しかし、事実でないことでも、一度認めて供述調書をとられてしまえば、後の裁判で無実を証明することは非常に難しく、やってもいない犯罪で処罰されることになってしまいます。

弁護士がいれば、取り調べ時に気をつけるべき点などのアドバイスも可能であり、どのように対応すればよいかなど助言ができます。

4.新宿にお住まいの方は、泉総合法律事務所にご相談を

痴漢事件で逮捕されると、ご家族は大きく動揺されることでしょう。また釈放されない期間が長くなれば不安と心配がより大きくなってしまいます。そのため、できるだけ早い段階で釈放のための弁護活動を開始すべきです。

泉総合法律事務所では、痴漢事件も多数取扱っているため経験・実績ともに豊富です。勾留を回避したケースや不起訴を勝ち取った事件もございます。

ご家族が痴漢事件で逮捕された場合は、ぜひ当法律事務所にご相談ください。早期釈放を目指し、弁護士が最後までサポートいたします。

無料相談受付中! Tel: 0120-637-103 平日9:00~22:00/土日祝9:00~19:00
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