個人再生に必要な費用ってどのくらい?
個人再生をするには、所定の費用を裁判所に納めなければなりません。
また、弁護士に個人再生手続を依頼するのであれば弁護士費用も発生します。
「お金がない状況を解決するためにお金がかかるなんて…」と不条理を感じる人もいるでしょう。
しかし現実問題として、個人再生には裁判所に払う費用と弁護士に払う費用が必要です。
ここでは、それぞれの内訳や金額を紹介していくので、個人再生を考えている方はぜひ一度お読みください。
このコラムの目次
1.裁判所に払う費用
(1) 東京地方裁判所への申立費用
東京地方裁判所に個人再生を申立てるときには、以下の費用がかかります。
- 手数料:10,000円
- 官報公告費用:13,744円
- 予納郵券:1620円
郵券とは切手のことです。以下の切手を納める必要があります。
(なお、2019年10月1日に郵便料金が改定されますが、ここでは改定後のものを掲載しています。)
- 120円切手×2枚
- 84円切手×10枚
- 20円切手×20枚
- 10円切手×13枚
- 1円切手×10枚
これに加えて以下の切手が必要です。
- 債権者の数×2枚の120円切手
- 郵送で申請する場合は追加で84円切手×4枚
また、債権者宛や申立人宛に使う封筒は必要ありませんが、封筒に貼るためのラベルシールは用意する必要があります(債権者宛封筒用ラベルシール×2組・申立人宛封筒用ラベルシール×4組)。
(2) 予納金
また、上記とは別に「分割予納金」といって、個人再生委員(個人再生に関する様々な手続を行う人のことで、東京の各弁護士会に所属する弁護士の中から裁判所が選任します)に支払うお金も必要です。
分割予納金の額は個人再生を弁護士に依頼しているかどうかで変動します。
- 弁護士に依頼している場合:原則150,000円から
- 弁護士に依頼していない場合:原則250,000円から
どちらも原則となる金額なので、事案によって額が変わります。
弁護士の有無で金額が変わるのは、弁護士が個人再生委員の仕事を一部肩代わりするので個人再生委員の負担が減るからです。
(3) 裁判所に支払う総額
裁判所自体に支払う費用は、約25,000円です。
個人再生委員への報酬である分割予納金については15万円以上と高額になります。
もし弁護士に依頼していない場合は分割予納金が25万円以上に跳ね上がるので、弁護士を利用した方がいいでしょう。
負担する金額のトータルは175,000円~、または275,000円~となります。
ただし、裁判所に支払う金額は変動する可能性があるので、最新の情報については弁護士か東京地裁民事部までお問い合わせください。
2.弁護士に支払う費用
(1) 弁護士費用の目安
これは弁護士事務所によって違います。
相場は300,000円~500,000円とも言われています。
住宅ローン特則を利用する場合は、50,000円~100,000円程度の上乗せがあるようです。
一見費用が安く見える事務所でも、毎回相談料が必要だと結局高くつくかもしれませんし、反対に費用が高く見える事務所でも、サービスが充実していたり、相談料が常時無料であったりするとトータルでは安くなる可能性があります。
分割払いや後払いができることもあるので、そういった事務所を選ぶのも良いかもしれません。
弁護士費用の確認方法は、各弁護士事務所のホームページ等に記載されていることもありますが、個々のケースによって料金が変わる可能性があります。
おすすめの方法は直接弁護士に聞いてみることです。
初回相談料無料の弁護士事務所は多いので、そういった事務所で実際に相談してください。
このとき弁護士の人となりを確かめるとともに、費用についても相談してみましょう。自分のケースでは一体いくらかかるのかを教えてもらえるはずです。
参考までに、当事務所の料金をご紹介します。
当事務所は、ご相談は何度でも無料で、分割払いにも対応しております。
- 住宅ローン条項なし:32万円(別途:事務手数料3.5万円)
- 住宅ローン条項あり:40万円(別途:事務手数料3.5万円)
※再生委員が選任される場合、再生委員報酬として15~20万円(裁判所により異なる)が必要です。
※遠方対応が必要な事案では、日当が発生する場合もございます。
(2) 弁護士費用がかかっても弁護士に依頼するべき理由
弁護士費用は一部の人にとって確かに高いかもしれませんが、弁護士に依頼するのはそれを上回るメリットがあります。
どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
①個人再生に失敗するリスクがなくなる
自分で個人再生を行った場合、個人再生そのものに失敗するおそれがあります。
個人再生で提出しなければならない書類は多く、忙しい人は期限までに書類を提出できない可能性がありますし、もし提出できても再生計画の認可が下りないことも考えられます。
専門家である弁護士に依頼すればそういったリスクを回避できます。
②書類の準備等をサポートしてもらえる
個人再生の手続は他の債務整理よりも複雑で、法的知識のない一個人が自力で行うのは無理なのではないかという声もあるほどです。
しかし、知識のある弁護士に依頼すれば必要な書類に必要な事項を記載して、しっかりと手続をしてくれます。
③代理人として裁判所に行ってもらえる
弁護士に依頼すれば、弁護士が代理人として裁判所に行く等して手続をしてくれます。
個人再生委員との面談等で申立人が出席する場合でも弁護士が同伴してくれますし、アドバイスもしてくれます。
個人再生の手続において、1人ではどうしていいかわからない局面があるかもしれません。
そういったときにも弁護士がいれば対応方法を教えてもらえるので安心です。
④他の債務整理方法についてもアドバイスがもらえる
自分では個人再生が最も良い債務整理だと判断しても、専門家である弁護士の目から見ればそうでない可能性があります。
個々のケースに最も適した債務整理を提案してもらえば、その後の生活再建も楽になるはずです。
ご自身だけで判断するのは危険ですので、一度弁護士にチェックしてもらうことをおすすめします。
⑤司法書士と違って全ての業務を依頼できる
司法書士も個人再生を業務としている専門家です。料金が弁護士より安いことも多いのですが、残念ながら司法書士にできるのは限定的な業務に限られています。
司法書士にできない部分については自分でフォローしなければならず、余計な時間と手間がかかります。
弁護士ならば、個人再生に関する全ての業務に対応できるのでおすすめです。
3.個人再生をする場合、まずは弁護士に相談を!
個人再生を弁護士に頼むと約40万円かかり、裁判所や個人再生委員に支払う金額を加えるとさらに17万近く上乗せされます。
しかし、個人再生は大幅に借金を減らせる債務整理です。仮に1,000万円の借金を5分の1にできるとしたら、800万円の減額効果を得られます。
57万円程で800万円を減らせると考えれば、かなりのメリットがある制度でしょう。
一刻も早く個人再生を成功させ、苦しい借金生活から解放されるためにも、ぜひ泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
-
2019年9月18日債務整理 自己破産による就職・今の仕事への影響とは?
-
2019年5月17日債務整理 子どもが個人再生をしたら?親がしてはいけないことや注意点
-
2019年8月7日債務整理 任意整理における一括返済・繰り上げ返済のメリット・デメリット